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新版NEOレトロ講座 Vol.111 笠井紀美子の巻

Herbie Hancockネタが出たところで聴きたくなったのが、1979年の笠井紀美子との共演盤である"Butterfly"

「ケメコさん、Herbie Hancockを歌う」とでも呼ぶべき日本企画盤ですが、その存在は90年代も半ばを過ぎてリマスター再発される迄の間、すっかり忘れ去られていたと言っても過言ではなく、正に日本の知られざるレア・グルーヴの趣といったところでした。
かく言う拙者も、再発と同じ頃に若杉実氏監修でエピックからリリースされたレア・グルーヴ・コンピ"Nouvelle Vibe"で、本作から収録された"Sunlight"を聴いてひっくり返ったというのが邂逅の顛末。

全8曲中6曲がHancock作品、ラストを飾るStevie Wonderの"As"にしても原曲でキーボードを弾いているのはHerbie本人という因縁、バックを固めるのは"Headhunters"以降のファンク期を支えたエレクトリック・バンドの面々という、実に豪勢なアルバムに仕上がっています。

ちょっと薄っぺらいヤマハCS系のシンセサイザーや透明感溢れるゼンハイザーのヴォコーダー等、如何にも70年代末期らしい鍵盤音とスピーディー且つタイトなリズム・セクションに対して、ケメコさんの歌声はどこかか細く狂おしくありながらも、クロスオーヴァー全盛の当時のジャズ・シーンの熱さを封じ込めたヴァイヴが感じられて、Herbie本人の演奏と比べてみてもユニークなメタモルフォーゼを見せてくれていると表現したいところ。

特に冒頭で聴ける"I Thought It Was You"のグルーヴィーな絶品カヴァーを満喫しながら、夏よ来いとどんより曇った梅雨空を見上げる日々でありまするw

Butterfly

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