新版NEOレトロ講座 Vol.104 Kraftwerkの巻
遂に神を語る時がやって来…いやいや、そんな滅相にもありませんで、今回採り上げるのは1991年にリリースされたリミックス・アルバム(?)"The Mix"。
80年代を通じてYMOをはじめとするテクノ/エレポップ・フォロワーの激しい追撃を受け、アルバムとしては前作に当たる1987年の"Electric Cafe"では、サンプラーやFM音源といった新世代のツールを彼ららしく使いこなすまでに至らなかった感もあり(それは"Techno Pop"と銘打った原型作がお蔵入りになった事からも明らか)、いささか手詰まりになりつつあるんじゃないかというファンの不安をある意味予想外のアプローチで払拭したのが本作品。
勿論、背景にはデトロイト・テクノの台頭に代表されるハウス界からのエールに応えるが如く、過去の作品を題材に自ら人間解体してみせた手腕には唸らされるものがあります。
思えば、70年代末頃から、アメリカの黒人音楽家からの羨望を集め続け(その極致がAfrika Banbaataの"Planet Rock"である事は論を待たず)、時代が漸く追いついたかと思ったその瞬間、トレンドを逆手にとって返してきた事に、ピュアなファンは嘆き、斜視気味のテクノ愛好家達は複雑な気分で見守った事でしょう。
まあそんな能書きはともかく、ここに収められた11の楽曲の再構成は、恐らく誰もの期待を上回る成功を見せていて、その証拠に何曲かは90年代後半以降再び活発になっていく彼らのライヴ活動におけるアレンジメントのデフォルト値になっていきます。
個人的には"Autobahn"がたかだか9分余りの短さに省略されてしまった事に、時代の軽さを痛感せざるを得ませんでしたが、特に"Computer World"収録曲のアップデートぶりには違和感なく入り込めたのが意外でもあったのを憶えてます。
このアルバムで唯一ケチをつけるとすれば、"Radioactivity"がいつの間にか立派な反核ソングに変質してしまっている事で、それは今に続く彼らのステージに於いても繰り返されている(しかもオーディエンスが最も盛り上がる瞬間でもある)ワケですが、戦後の米ソ冷戦時代を通じてひたすら客観を貫いてきた彼らの原像に触れてみたい方は、こちらのビデオをご覧下さい(やっぱ「放射能」の方がシックリくるな~(^^;)。
























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